それは、手術の適応となった声帯ポリープ、声帯結節(声帯にできる炎症性の硬いこぶ)の患者200人を対象にしたもの。2つの群に分け、ひとつの群(98人)には、医師、言語聴覚士、患者によるチーム医療で啓発DVDなどを用いて声の衛生教育を行った。もうひとつの群(102人)には、声の衛生教育について書いたパンフレットを渡し、注意喚起した。
2カ月後には、チーム医療群で、61.3%の人で声帯ポリープが消えていた。
パンフレット群も声帯ポリープが消えた人がいたが、26.3%とチーム医療群の2分の1以下だった。
「声の衛生教育を徹底すれば、手術が不要になることが証明されました。パンフレットを見て、自分で行う方法でも効果はありますが、専門家と一緒に生活を見直し、声帯に負担をかける習慣をあぶり出して改善すればより効果が高くなります。また、私は子供を対象に比較試験を行ったこともありますが、この場合も、声の衛生教育で声帯ポリープが消える結果が出ました」