また、そもそもそうした研究結果を“無視”したとしても、いきなり危険な状態を招くようなことにはなりません。ある程度、食事を規則正しく取ったり、偏ったものばかりを食べ過ぎないよう自己管理したり、健診で指摘された食事内容を改善していくといった一般的な取り組みを行うだけで十分といえます。
食事と病気に関する研究で出てくるデータのほとんどは、いまはまだ健康な人をターゲットにして、将来的に病気にならないよう1次予防に導くためのものです。研究結果に焦って右往左往する必要はないのです。
医学の進歩という視点から考えてみても、そうした1次予防に対し、「いまある特定の病気をどのようにして治療したり、改善したりすればいいか」という2次予防の方が圧倒的に進歩のスピードが速いといえます。つまり、仮に1次予防がうまくいかずに心臓疾患を発症したとしても、進歩し続けている治療によって深刻な事態は避けられるようになってきているのです。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」