役に立つオモシロ医学論文

インフルエンザワクチン接種 ウキウキ気分の接種が効果大

ウキウキ気分…?(C)日刊ゲンダイ

 この研究は、65~85歳の高齢者138人を対象に、インフルエンザワクチン接種の2週間前と接種後4週間にわたり被験者の心理状況や行動を調査し、ワクチン接種後の抗体量との関連を検討したものです。

 解析の結果、ポジティブな気分と、抗体の上昇度に統計学的にも意味のある関連性が認められました。特にワクチン接種当日におけるポジティブな気分と抗体の上昇度には強い関連が認められています。他方で、睡眠や栄養状態、身体活動量と抗体の上昇度に関連性は認められませんでした。

 注射をウキウキ気分で受けるというのも難しいかもしれませんが、少しでも前向きな気持ちでワクチン接種を受けることで、より免疫力が高まるかもしれません。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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