「新鮮」に落とし穴…旬の魚に潜む寄生虫と食中毒への対処

自分で釣った魚やシメサバにも注意が必要(C)日刊ゲンダイ

 余談になるが、居酒屋のお通しや、干物、沖漬けなどで一年を通して食べる機会のあるホタルイカでも、「旋尾線虫」という寄生虫で食中毒が発生していた。

 旋尾線虫は胃壁や腸壁を食い破るだけでなく、腸閉塞を起こしたり、皮膚の下を移行してミミズ腫れを起こしたりもする。

 食中毒の発生を受け、厚生労働省は、生食する場合は一度冷凍したり、茹でるなどの加熱処理をする予防策を求め、最近では食中毒の報告はほとんどなくなっている。 

 寄生虫による健康被害は注意すれば十分防げる。「冷凍物は味が落ちるから、新鮮なものを生で食べたい」と考えがちだが、生食することのリスクを十分踏まえた上で冬の味覚を楽しんでほしい。

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