「お米を食べる」効能を見直す

お米の栄養素を再確認 6%のタンパク質が糖尿病の予防にも

血中コレストロール、中性脂肪を下げる(C)日刊ゲンダイ

 こう話すのは、「米タンパク質の機能性解明の研究」を行った新潟工科大学副学長の門脇基二教授だ。厚労省「国民健康・栄養調査」(09年=別表)によると、1日に摂取するタンパク質の内訳は、「魚介類」(20.9%)、「肉類」(19.2%)に次いで、「米・加工品」(12.4%)が3位だった。

 タンパク質摂取量は男女とも60代が最も多く、20代男性の1日73.9グラムに対し、60代男性は80・6グラムも取っている。ところが、60代、70代は若い世代に比べ、「穀類」からの摂取割合が少ない。腹八分目でご飯を減らしている可能性はある。

「大豆タンパク質が血中コレステロールや中性脂肪の値を低下させることが分かってきています。そこで、白米タンパク質にも同様の効果があるのか動物実験で調べてみたところ、大豆タンパク質と同程度の効果が出ました。米に含まれるタンパク質は、小腸でつくられるホルモン(インクレチンの一種)を活性化させ、インスリン分泌を促進することが分かっています。白米タンパク質の摂取は、糖尿病の進行を遅延させ、その慢性的な高血糖を原因とする合併症である糖尿病性腎症の進行予防にも役立つことが期待されます」(門脇教授)

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