医者も知らない医学の新常識

専門誌に論文 目標を持った生き方が脳梗塞リスクを減らす

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 みなさんは人生の目標を持って、毎日の生活をしていますか? いきなりこんなことを尋ねられても、当惑してしまう人の方が多いかも知れません。日本人はこうした質問が苦手です。しかし、欧米では比較的一般的に、目標を持った生き方が、求められているようです。

 目標を持った生き方というのは、人生を生きる意味のあるものと考え、毎日やるべき目標を持ってそれを達成するために生きる、という姿勢のことです。

 それでは、こうした生き方をすることで、健康にも良い影響があるのでしょうか? 実は目標を持った生き方をすることで、寿命が延びるという報告や寝たきりや認知症が予防された、という報告があるのです。最近では2015年の脳卒中の専門誌に、目標を持った生き方と脳梗塞との関係についての論文が掲載されています。

 アメリカで453人の高齢者の人生に対する考え方を聞き取り、その経過を観察しました。死亡後に解剖して脳を調べたところ、肉眼で見えるような大きさの脳梗塞のリスクは、目標を持った生き方をしている高齢者では明らかに低下していました。他に差があったのはラクナ梗塞と呼ばれる脳の奥にできる比較的小さな脳梗塞です。一方で顕微鏡でしか見つからないようなより小さな梗塞にはそうした差はありませんでした。毎日目標を持ってポジティブに生活することは、実は薬よりも病気の予防になるのかも知れません。

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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