健診で異常なしでも突然死が 食後こそ注意すべき2つの数値

“6時間後”を考えて食事を選ぶ(C)日刊ゲンダイ

 健康寿命を延ばす上で、いま注目が集まっているのが2つの「食後」の数値だ。大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学寄付講座教授の森下竜一医師に聞いた。

 ひとつは、食後の中性脂肪。中性脂肪はLDL(悪玉コレステロール)とともに、血液中の脂質が異常に多い状態である高脂血症を判定する数値だ。高脂血症を放置すると動脈硬化が進行し、心筋梗塞、脳卒中などのリスクを高める。

「これまで中性脂肪といえば『空腹時』の数値を見るものであり、食後の中性脂肪にリスクがあるとは考えられていませんでした。ところが食後の中性脂肪が高い食後高脂血症(食後中性脂肪血症)が、動脈硬化の新しい危険因子であることが明らかになってきたのです」

 中性脂肪は食後に上昇し、6時間後にピークを迎える。たとえば7時に朝食を取ると、中性脂肪のピークを迎えるのは13時だ。この時間帯は昼食タイムと重なるため、中性脂肪は下がることなく、さらに上昇する。13時の昼食後の中性脂肪のピークは19時。今度は夕食タイムと重なり、またさらに上昇。そして深夜1時ごろにかなりの高数値に達するのだ。つまり、多くの人は1日の大部分を中性脂肪が高いまま過ごしている。

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