独白 愉快な“病人”たち

引退まで試合では吐き続け…小谷野栄一さん語るパニック障害

小谷野栄一さん(C)日刊ゲンダイ

 日本ハムに入団して4年目の2006年に発症しました。当時は一軍と二軍を行ったり来たり……。プロ野球選手は結果が求められ、何かと注目されますから、いろいろなことが重なって爆発したんだと思います。

 今思えば、その年は春先から体調が悪くて、めまいや吐き気が続きました。5~6月ごろにはグラウンドで吐いたり倒れ込むようになり、「お酒のせいかな?」と思って飲むのをやめてみたり、自分なりに試行錯誤していたんです。

 球団側も心配してくれて、胃カメラや脳のMRI検査を受けさせてくれましたが、どこにも異常は見つからない。それなのに、症状はどんどん重くなっていきました。とにかく他人の目が怖くて、襲われるんじゃないかと不安で、7~8月には球団の寮の1人部屋からほとんど出られなくなりました。眠れない日々が続き、野球をやりたいのにできない葛藤で苦しく、体重は10キロ近く落ちてしまいました。

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