専門家が解説「運動で痩せること」の難しさと正しい考え方

筋肉増強で基礎代謝アップは現実的じゃない!?(C)日刊ゲンダイ

「にもかかわらず、起きている時間のうち、準備を含め1時間近くを費やすことは効率的な痩せる手段とはいえません」

■筋肉増強で基礎代謝アップは現実的ではない?

 それでも運動で筋肉がつけば基礎代謝がアップし、結果的に痩せるのではないか? そう考える人もいるかもしれない。

「実際はかなり難しいと言わざるを得ません」

 基礎代謝とは肺、心臓、血管、脳、神経などの生理機能や熱産生、排泄を営むのに必要な最小限のエネルギー量。一般的には筋肉1キロ当たりの基礎代謝量は13キロカロリーといわれる。

「仮に、ダイエットで脂肪が3キロ減り、新たに1キロの筋肉がついたとしましょう。脂肪1キロの消費カロリーは4・5キロカロリーだから3キロ減で約13・5キロカロリーが失われることになります。一方で、増えた1キロの筋肉の基礎代謝量は13キロカロリーですから、差し引き0・5キロカロリーのマイナスです。体重が2キロ減り、筋肉量が1キロ増えても実質基礎代謝量は減る計算です」

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