睡眠専門医が指摘 今年の新入社員は「五月病」がより深刻

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 これに最も当てはまりやすいのが、新入社員なのだ。

「大学生の生活パターンは昼夜逆転。4月になって生活リズムを変えようとすると、完全な時差ボケ状態になり、仕事に集中できません」(内村教授)

 一般社会人、大学生A、大学生Bに分けて説明すると、一般社会人が0時に就寝し、7時に起床するとする。大学生Aは就寝が3時、起床が11時。一方、大学生Bは就寝が6時、起床が14時。それぞれの中央値は、一般社会人が3時30分、大学生Aが7時、大学生Bが10時。一般社会人の生活と比較すると、大学生Aは3時間半後ろにずれ、大学生Bは6時間半後ろにずれる。つまり、大学生Aはインド帰りと同様の時差ボケであり、大学生Bに至ってはギリシャ帰りと同様の時差ボケになるのだ。

 さらに、休日の寝だめが拍車をかける。

「健康な人の金曜の夜と、金曜の夜と土曜の夜に寝ていられるだけ寝て“休日朝寝坊”をした場合の日曜の夜のメラトニン(睡眠を促すホルモン)分泌の推移を調べると、金曜の夜に比べて日曜の夜はメラトニンが出るのが遅くなり、また分泌量も少なく寝つきが悪かったのです」(内村教授)

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