進化する糖尿病治療法

糖尿病の専門医が警鐘「健康にいいから食べる」の落とし穴

坂本昌也氏(C)日刊ゲンダイ

 しかし、健康体の人は横に置いておいて、血糖値が高い、血圧が高い、中性脂肪が高い……といった人が食べ始めると、単純に考えて摂取カロリーが増える。糖質、脂質などの摂取量も増える場合が多い。厄介なのは、「ヨーグルトがいい」という情報だけに飛びついて、それ以外に意識を回さず、気がつくと砂糖やジャムを加えて食べる人もいることです。

 ヘモグロビンA1cが急に高くなった患者さんもヨーグルトは無糖でしたが、手作りのみかんジャムをのせて召し上がっていました。「みかんにはビタミンCが多くて、免疫力を高めて風邪予防にいいって聞いたので!最初は何も入れていなかったのですが……」と。「無糖ヨーグルトにプラスみかんジャム」を毎日大きなおわんに山盛り食べていたら、明らかにカロリーオーバーです。乳酸菌効果や免疫力アップといったメリットを享受する前に、デメリットの影響を受ける。すぐにやめてもらいました。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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