正社員で働く発達障害の人々

発達障害“グレーゾーン”の人が集まるイベントで意気投合

一色宏治さん(提供写真)

 一色さんのほうから「発達障害なのではないか」と会社の上司に相談。紹介された病院で問診や検査を受け、子供のときの状況を調べるために小学校の通知表を実家から送ってもらって医師と検討した。そして受けた診断が、「発達障害の一種であるADHD(注意欠如・多動症)であり、かつASD(自閉スペクトラム症)のグレーゾーン」。ADHDに関しては正式な診断が下りたが、ASDに関しては「正式に発達障害と診断するほどではないが、かなりその傾向が強く、定型発達者(健常者)と発達障害者の境目にある」とのことだった。

 そのとき一色さんは35歳。それでも無理してプロジェクトリーダーを続けたが、4年後に脳梗塞で入院。翌年、入社15年目にしてプロジェクトリーダーを外れた結果、仕事はかなり楽になり、精神状態は回復した。現在は入社16年目だ。

「プロジェクトリーダーを外れる直前は、仕事量が多すぎるときと、過集中しすぎた後にうつになっていました」

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