ただ、臨床現場で多くの患者さんに接していると、「運動をやってください」がいかに効果のない言葉かを感じます。生活習慣病といわれている糖尿病、脂質異常症は元来、現代の忙しい生活などで運動習慣の継続が難しかったことも一要因となり、発症することが考えられます。そうなると医師や看護師の「運動をやってください」という言葉は、本人が分かっていてもなかなか実践できないものであり、三日坊主になってしまうことも。ややもすると「小言が多い医師だな~」と病院への足が遠くなり、治療中断につながってしまうこともあります。
そういった経験もあり、私は「運動する」という言葉ではなく、「少しでも動くことを増やす」という言葉の方が、患者さんにはまだ響きやすいのではないかと考えています。
■健康寿命を保つために
進化する糖尿病治療法