進化する糖尿病治療法

「適度な運動を行うようにしてください」と言わない理由

食器を片付けるくらいなら(写真はイメージ)

 ただ、臨床現場で多くの患者さんに接していると、「運動をやってください」がいかに効果のない言葉かを感じます。生活習慣病といわれている糖尿病、脂質異常症は元来、現代の忙しい生活などで運動習慣の継続が難しかったことも一要因となり、発症することが考えられます。そうなると医師や看護師の「運動をやってください」という言葉は、本人が分かっていてもなかなか実践できないものであり、三日坊主になってしまうことも。ややもすると「小言が多い医師だな~」と病院への足が遠くなり、治療中断につながってしまうこともあります。

 そういった経験もあり、私は「運動する」という言葉ではなく、「少しでも動くことを増やす」という言葉の方が、患者さんにはまだ響きやすいのではないかと考えています。 

■健康寿命を保つために

2 / 4 ページ

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

関連記事