進化する糖尿病治療法

「自動血糖測定器」誰でもネットで買えて早期発見に役立つ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 これらの理由から、実際の血糖値と健診で分かる血糖値には開きが出てしまうことがあるのです。

■患者であれば保険適用

 加えて、血糖値の上昇は非常にゆっくりで、だいたい糖尿病と診断されるところまで10年くらいかかる。この間、徐々に上がっていくというより、じわじわ上がっていき、ある時ポーンと数値が跳ね上がる感じです。血糖値の数値を見るだけでは、ポーンと上がる直前なのか、そこまでいくのにまだまだ余裕があるのかが分かりづらいのです。

 自分の血糖値がどういう状況なのか? 糖尿病を発症する前の人でも使えるツールとして便利だな、と思うのは、「自動血糖測定器」です。上腕部に500円玉の大きさのパッチを貼り、血糖値を記録するセンサーでスキャンすると、いつでもどこでも服の上からでも、簡単に「今」の血糖値を測定できます。2017年から糖尿病患者に対して保険適用になっています。インターネットでも1万円しない価格で販売されているので、糖尿病ではない人でも購入できます。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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