進化する糖尿病治療法

食べて飲みながら血糖値をコントロール不良にしないワザ

写真はイメージ(C)PIXTA

 枝豆は大豆と野菜の栄養を兼ね備えており、ビタミンB1、B2を豊富に含みます。ビタミンB1には糖質を分解する作用があり、ビタミンB2には脂質を分解する作用があります。糖質と脂質を代謝し、エネルギー源にする作用が期待できるため、つまみとして最初に食べるのは非常にいい。

 もちろん、ほかの食品にも同様の作用が期待できるものがありますが、枝豆はたいていの飲食店にありますし、「ビタミンB1、B2を豊富に含むものを最初に食べましょう」と言われるよりも、記憶に残りやすく、実行に移しやすい。

■宴会シーズンに役立たせる

 こういったほんのちょっとの工夫も、続ければ大きな成果につながります。その職場では、血圧計をデスク周りにおいていつでも誰でも測れるようにするなどの“ほんのちょっとの工夫”をほかにもしており、社員のみなさんの健康意識が少しずつ上がってきているそうです。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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