高血圧、糖尿病、肥満は50代でも心不全のリスクを上げる

「だれでもなる病気」が循環器内科の常識(C)日刊ゲンダイ

 しかし、「自分が心不全になるわけがない」と思っている人が大半だろう。実は心不全は、“身近な病気”と言ってもいい生活習慣病がリスク要因になる。具体的には、「高血圧」「糖尿病」「肥満」など。高血圧は心臓に負担をかけ、糖尿病は心臓に栄養を送る冠動脈の動脈硬化性病変を引き起こす上、心筋にも影響を与える。肥満は高血圧、糖尿病のリスクを高め、動脈硬化を進行させる。心筋梗塞を起こしたことがある、弁膜症や左室肥大といった心臓病がある場合なども心不全につながる。

 ある50代男性は、会社の健診で10年ほど前から高血圧と内臓肥満を指摘されていた。しかし面倒だからと病院に行っていなかった。1年前に糖尿病を指摘されたが、自覚症状がないため、やはり病院に行かなかった。ところが今年の健診で心電図をとったところ、左室肥大と言われ、循環器内科を受診。検査で心不全が判明した。

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