正月明けに寝苦しさや寝起き後の疲れが…夜間低血糖を疑え

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「とくに年末年始の休暇明けのこの時期は要注意です。多くの人が体を動かさずに食事時間が不規則でおせち料理など糖質の多い食事と大量のお酒で過ごしてきたからです。血糖コントロールが乱れやすく、自分でも気づかないまま夜間低血糖を繰り返している可能性があるのです」

 夜間高血糖が怖いのは、致死性の不整脈が起こりやすく心臓突然死のリスクが高くなること。英国の大学の研究者がインスリン治療中の患者25人に対して低血糖発症時の不整脈リスクを調べたところ、夜間低血糖を起こしている人は正常な血糖値の人に比べて高く、その頻度は昼間の低血糖時よりも夜間低血糖時の方が高かった。

「心臓は1日に約10万回規則正しく収縮と拡張を繰り返しています。そのため、そのリズムが崩れて不整脈が起きていることは珍しいことではりません。実際、中年以降の人を24時間連続で心電図を取り続けると少なくとも1回や2回は不整脈が観察されます。しかし、糖尿病で正常な血糖値を保てなくなると、夜中に急に交感神経が活発になって脈が早くなるなど不整脈が出て心臓に負担をかけ、心臓のトラブルを起こしてしまうのです」また、夜間低血糖は認知機能を低下させるため、夜間のトイレなどでふらついて骨折や脱臼などになる場合もある。夜間低血糖を引き起こす原因である糖尿病はそれ自体に脳梗塞の発症リスクをアップさせる。日本人を対象にした調査・研究によると、健康な人の脳梗塞リスクを1とした場合、糖尿病の人のそれは男性が2・22、女性が3・63だった。

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