ドクター牧田 最強の食事術

実は栄養満点 付け合わせ野菜を食べ残してはいけない

付け合わせの野菜は栄養満点

「JPHC研究」とは日本人を対象に、さまざまな生活習慣とがん、2型糖尿病、脳卒中、心筋梗塞などとの関係を明らかにするための多目的コホート研究です。国立がん研究センターなどの研究チームが、全国11の保健所に在籍していた約8万8000人を16・9年(中央値)追跡調査しています。追跡期間中に1万5000人余りが亡くなりましたが、これをアブラナ科野菜摂取量により5群に分けて比較したところ、全死亡リスクは野菜の摂取量がもっとも多い群と少ない群とでは、男性で14%、女性で11%低いことがわかったのです。また、疾患別死亡リスクでは男性はがんが16%、心疾患で17%、脳血管疾患では11%それぞれ低下しました。女性は、心疾患で27%、脳血管疾患で22%の低下でした。アブラナ科野菜の摂取量が多いと死亡リスクが低くなる理由は「イソチオシアネートや抗酸化性ビタミンなどが多く含まれているから」とされています。

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牧田善二

牧田善二

AGE牧田クリニック院長、医学博士、糖尿病専門医。1979年、北海道大学医学部卒業。ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで糖尿病の合併症の原因とされるAGEを研究。96年から北海道大学医学部講師、2000年から久留米大学医学部教授。03年から糖尿病をはじめとした生活習慣病および肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開院、延べ20万人以上の患者を診ている。著書に「医者が教える食事術 最強の教科書」(ダイヤモンド社)ほか、多数。

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