ドクター牧田 最強の食事術

太るのは簡単だが…なぜ年を取るとやせにくくなるのか?

間食するならチーズなど(C)日刊ゲンダイ

 年末年始は一年で一番太る時期です。仕事始めで「2~3キロ増えた」とお腹をさすり苦笑いする中高年は少なくありません。

 改めて言うべきことでもありませんが、太るのは簡単です。ご飯やパン、麺類などに多く含まれる糖質をたくさん摂取するだけでいいのです。すると分解されたブドウ糖が血液中にあふれます。その多くはエネルギー源として使われますが、余ったブドウ糖はインスリンの作用で中性脂肪に形を変えて脂肪細胞に取り込まれます。これが肥満のメカニズムです。ですからクリスマスにケーキやジュースを、年末にラーメンやそば、お寿司などを、お正月にお餅やおせち料理をしこたま食べ続ければ、太るのは当然なのです。

 それでも若い頃はちょっと運動したり、食事を制限したりすればすぐに元に戻りました。しかし、年を取るとそうはいきません。それはなぜでしょうか?

 そもそも人間の体は年齢に関係なくやせにくいようにできています。ダイエットにチャレンジした人ならお分かりいただけると思いますが、どんなダイエット法でも始めれば大抵はやせます。しかし、順調に落ちていた体重はある日ピタリと止まり、1~2週間の停滞期が続きます。その後また減り続けてまた停滞期を迎える。その繰り返しです。

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牧田善二

牧田善二

AGE牧田クリニック院長、医学博士、糖尿病専門医。1979年、北海道大学医学部卒業。ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで糖尿病の合併症の原因とされるAGEを研究。96年から北海道大学医学部講師、2000年から久留米大学医学部教授。03年から糖尿病をはじめとした生活習慣病および肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開院、延べ20万人以上の患者を診ている。著書に「医者が教える食事術 最強の教科書」(ダイヤモンド社)ほか、多数。

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