骨と筋肉の疑問に答える

巻き爪の悩み…ハイヒールをよく履くことに関係があるの?

巻き爪の主な原因は歩き方(C)日刊ゲンダイ

 実際、寝たきりの高齢者の爪は、ほとんどが巻き爪です。痛がらないのは、歩かないからです。体重が足にかからないため、爪が足の指に食い込むことがないのです。

 予防法は正しく歩くことにつきます。足の指全体でしっかり地面を踏みしめられる靴を履き、体重のバランスが崩れた、クセのある歩き方を改めることです。

 とはいえ、すでに巻き爪になった人は、「痛くて歩くことなんてできない」とおっしゃるでしょう。巻き爪を根本的に治療しようと思えば、手術が一番です。

 巻き爪の手術は「フェノール法」が主流です。フェノールとは薬品の名前です。指の付け根に麻酔の注射をして、巻いている爪の端を根元まで切除し、その部分から新たに爪が生えてこないように、爪になる前の爪母細胞をフェノールで焼いてしまいます。

 手術は10分程度で終わります。当日から入浴もできます。もちろん、普通に歩くことができます。麻酔が切れた後も痛みのために眠れないようなことはありません。

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水井睦

水井睦

みずい整形外科院長。日本整形外科学会認定専門医、同会認定脊椎脊髄病医、同会認定リウマチ医、日本体育協会認定スポーツドクター。1995年北里大学医学部卒業。横浜市立大学医学部整形外科入局。大学病院、国立病院などを経て、2005年から東京・祐天寺にて開院。

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