病の克服は患者に聞け

脊柱管狭窄症<2>ゴッドハンドでも症状は改善しなかった

曽我陽三さん(提供写真)

 友人から整体治療院を勧められ、テレビ番組で「ゴッドハンド」と紹介された治療院に電話をかけると、「4年先まで予約でいっぱい」と、断られた。泣く泣く受話器を置いた直後に今度は院から電話がかかってきた。

「たまたま来週の水曜日、午後1時なら空いています」

 何度か同院で“ゴッドハンド”の治療を受けた。だが症状は少しも改善しない。静岡県内に、「凄い整体師がいる」と聞き、新幹線で向かったこともある。

 診療室にはテレビに出演したときの大きなパネルが何枚も張ってある。

「『腰痛』は手術では治りませんよ」のアドバイスを受けて、何回か通院した。診療費は1回4000円。だが日々の痛みは少しも改善しなかった。 

 曽我さんはこうしてマッサージ店や整体治療院をおよそ10年間、交互に通院している間に、痛みやしびれの症状が、悪化の一途をたどることになる。

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