進化する糖尿病治療法

運動嫌いが運動せずに活動量を増やす…グッズを使ってみる

写真はイメージ(C)PIXTA

 50代の男性は、今でも「運動する気はない」ときっぱり。ところが、この2カ月ほど、毎朝スクワットをしているそうです。きっかけを聞くと、ある朝、ふと思い立ち、本当になんとなく、スクワットをやってみたそうなんです。すると、5回もできた。ここがこの男性にとって大事なところなんですが、5回「しか」でなくて、5回「も」だったんです。

 運動が嫌いで、学生時代の体育の時間は嫌な思い出しかなかったと話す男性。学生時代を終え、運動を強制的にやらされることがなくなってからは、スポーツジムに通おうと思ったこともない。スクワットなんてできなくて当然、と思っていたのが、やってみたら5回もできたので、「結構できるな」とうれしくなった。息が上がり、膝がガクガクしたそうですが。

 その週末の土曜日、もう一回やってみようとスクワットをすると、やっぱり5回できた。日曜日もやると、5回できた。そのまま続けて毎日やるようになり、次第に最初に感じた「息が上がり、膝がガクガク」がなくなってきた。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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