進化する糖尿病治療法

体重維持のポイントは常にチェックし太ったらすぐに対策を

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「通勤がなくなり活動量が激減した」

「仕事場にしているリビング、台所、トイレ、風呂の間を行き来するのが、1日の活動量」

「自宅に置いているお菓子を、仕事の合間につまんでしまう」

 こんなふうに話すのは、40代後半の女性。本格的なテレワークに入ったこの3週間で、気がつけば3キロ太っていたそうです。体重が数キロ増えた程度なら、食事内容に気を付け、少し活動量を増やすようにすれば、元の体重に戻せます。

 ポイントはすぐに対策を講じること。10キロより5キロ、5キロより3キロと、減らす体重が少ないほど、目標到達までの道のりは短い。かつ、苦労もしなくていい。

 中年以降のダイエットで何が難しいかというと、体重を落とそうと思ったら筋肉量もガクンと落ちてしまい、その落ちた筋肉量を取り戻すことが困難である点です。筋肉が落ちれば代謝が落ちて「太りやすい体」になるばかりか、高齢者になると転倒やケガのリスクを高め、寿命にも関係してきます。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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