この研究では、中国における新型コロナウイルス感染症の症例データと、気温や湿度などの気象データ、さらには紫外線量の計測データを用いて、気象条件と感染拡大の関連性を統計的に解析しています。感染の拡大は新型コロナウイルスの累積発症率とR0値で評価されました。R0値とは「1人の感染者が何人に感染させるか」を表す数値です。R0が1未満になると感染は終息に向かいます。
解析の結果、平均気温や紫外線量が増加しても、新型コロナウイルスの累積発症率やR0値に変化は見られず、関連性が示されませんでした。2009年の新型インフルエンザが春から夏にかけて世界的に流行したことを踏まえれば、集団的な免疫のない新興感染症は、気温や紫外線とは関係なく感染が拡大してしまうのかもしれません。
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