ところが5年後の2016年になると、同じ週刊誌が「どこの在宅医がいいか」という特集記事を掲載。病院だけでなく自宅で亡くなることも選択肢に入ってきたことを映し出した。
「医療政策によって入院から在宅に移行する中で、人々の価値観や関心が変化したのでしょう。人の心というのは、その時々の社会通念によって移ろうものですからね」
それでは我々は、どのようにして「最適な死に方」を見つければいいのだろうか。小堀さんは「かかりつけ医を持つことが大切だ」と強調する。
「かかりつけ医は、その人の趣味や思考、家族との関係性など、患者を取り巻くすべての環境を理解しているはず。それぞれの望ましい形を総合的に判断し、必要な医療を過不足なく提供することができます。その結果、自宅でみとることが理想の場合もありますし、わずかな時間でも延命するために病院に搬送することもあります」
死なせる医療 訪問診療医が立ち会った人生の最期