病気を近づけない体のメンテナンス

自律神経<上>骨格のゆがみリセットには「12秒呼吸法」を

骨格のゆがみが自律神経の乱れを生む

 しかし、原因がはっきり分からないことで「ストレスのせい」と、心療内科や精神科に追いやられてしまうのが実情だ。

 自律神経の乱れを整える、何かいい方法はないのか。自律神経失調症外来を設ける「せたがや内科・神経内科クリニック」(東京都世田谷区)の久手堅司院長が言う。

「自律神経が乱れる原因には、精神的・身体的・環境的なさまざまなストレスや不規則な生活習慣などが大きく関わってきます。その要因の中で、私が特に重視しているのは『骨格のゆがみ』です。自律神経失調症で受診する患者さんの多くは、姿勢が悪く、診察室に入ってきて数歩で骨格のゆがみに気づきます。そのような患者さんを診ていく中で大きな効果が出たのが、全身の骨格をベースに自律神経を整えていく方法でした」

 なぜ、骨格がゆがんでいる(姿勢が悪い)と自律神経が乱れるのか。それは自律神経が走っている場所が関係する。自律神経は、脳の視床下部から始まり、「脊髄」を通って全身の各器官につながっている。脊髄は「脊椎」というS字に近いカーブを保っている骨のトンネル(背骨)の中を通っている。しかし、姿勢が悪くカーブが変形したり、ずれたりすると中の脊髄が圧迫され、自律神経が正常な働きをしづらくなるという。

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