新型コロナウイルス「超過死亡」から見た本当の死亡数

コロナ患者の治療にあたるイタリア・ミラノの医療関係者たち(C)ロイター=共同

 超過死亡の状況は、国立感染症研究所の「インフルエンザ関連死亡迅速把握システム」のページで公開されている。毎週(現時点では4月初旬まで)のインフルエンザと肺炎の死亡数、ベースライン、閾値がグラフで提供されている。もし新型コロナ関連死が大量に発生していれば、グラフに例年とは違う、明らかな異常が見られるはずだ。

■東京都では100人以上も見逃している可能性が

 今シーズンはどうか。1月からインフルエンザ患者が減少し、死亡数は閾値の範囲内に収まっていた。しかし東京都では不思議な動きを示している。第8週(2月16日の週)から死亡数が突然増え始め、第13週(3月22日の週)まで連続6週間にわたって、超過死亡が観測されたのだ。

 データが数字で提供されていないため、グラフから目測で見積もるしかないが、120~130人の超過死亡があったようだ。この時期には、インフルエンザはほとんど終息していたので、超過死亡の多くは、実は新型コロナ関連だったのではないか。この間の東京都の新型コロナの死者は7人と公表されている。差し引き100人以上のコロナ関連死が、インフルエンザ関連死として処理された可能性がある。

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