しかし、尿意を認識するキッカケとなる最も低い刺激の値(閾値=いきち)は、さまざまな外部からの影響で変化します。膀胱内の尿が多くなくてもトイレが近くなるのです。
その代表的な外的要因は「冷え」です。「冷たい水で手を洗う」なども同じです。それから「誰かがトイレに行くのを見る」「水の流れを見る」などの視覚刺激。「水の音」は聴覚刺激になります。また、「水を飲むとすぐトイレに行きたくなる」という人も、中枢神経(大脳皮質)を介して尿意の閾値が下がるのです。
逆に、地震や火事などの非常事態は強い緊張(交感神経が優位)によって尿意は遠のきます。しかし、試験前や会議前などの緩い緊張状態ではむしろ尿意が近くなります。これは「途中でトイレに行けない」ことの過去の経験による不安から脳が敏感になり、より尿意を感じやすくなる「心因性頻尿」といえます。
専門医が教える パンツの中の秘密