麹の知られざる力

麹菌はやさしい微生物 だからこそ人間の免疫力を強化する

麴博士こと山元正博氏(C)日刊ゲンダイ

 世界を混乱と恐怖の禍に巻き込んでいる新型コロナウイルス。最も感染者数と死亡者数の多い米国は人種対立をも誘発し、まさに世紀末的状況だ。

 一方、日本は、死亡率こそ5.3%と世界の平均に近いが、PCR検査の少なさ、つまり死亡率計算の分母となる感染者数の少なさを勘案すると、実質の死亡率はその10分の1程度ではないかとの声もあり、世界を驚かせている。

 しかし、「三代目河内源一郎」こと山元正博は「別に驚くに値しない。麹(こうじ)の生まれた国、麹を日常生活の友とする日本人には当たり前のこと」と言う。一体どういうことか?

 その前に、山元の経歴を簡単に説明しておこう。山元は1950年、鹿児島に100年以上続く麹屋「河内源一郎商店」(霧島市)の3代目として生まれる。麹屋とは日本酒や焼酎、味噌、醤油づくりに欠かせない種麹をつくる専門業者のことで、日本に5社のみ。河内源一郎商店は焼酎に使われる麹をほぼ独占している。

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