和式生活が健康を作る

イグサは薬草として使われていた 「畳」は自然の空気清浄機

イグサのスポンジ構造(写真提供:森田洋教授)

 イグサの断面(写真)は硬い表皮部分と軟らかい灯芯部分から出来ていて、灯芯部分はスポンジのような構造をしている。このため吸湿性に優れ、有害物質にも高い吸着効果があることが知られている。

「例えばイグサの畳は1畳につき500ミリリットルの水分を吸うといわれています。夏、畳の部屋が涼しく感じるのは湿度が低いからです。しかも、シックハウス症候群の原因といわれる、ホルムアルデヒドといった揮発性有機化合物(VOC)やアンモニアなどの悪臭の原因となる物質や二酸化窒素を吸着するなど、空気をきれいにしてくれる機能も持っています」

 つまり、畳は呼吸器に優しい自然の空気清浄機ということだ。その吸水性故にカビが生えやすいため、日々の換気などメンテナンスが必要となるものの、日本人が健康のために作り上げた最高の建材のひとつだといえる。

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