和式生活が健康を作る

イグサは薬草として使われていた 「畳」は自然の空気清浄機

イグサのスポンジ構造(写真提供:森田洋教授)

■香りの効果で集中力アップも

 しかも、イグサは芳香性の高い植物で、この香り成分が畳を敷いた和室でのリラックス効果につながっていることが知られている。イグサの香りには樹木の香り成分や、バニラの香り成分であるバニリンなどが含まれており、鎮静作用を促進する働きがあるといわれている。

「畳の部屋にいると集中力が上がり、子どもの学習効果が上がることがわかっています。中学1年生と小学5年生計260人に対し、畳教室とフローリング教室でテストを実施。簡単な算数の問題を30分で何問解けるかを調べたところ、全体では正解率はほとんど差がありませんでしたが、解答数は畳教室のほうが14・4%高い結果となりました。その原因は畳教室では、畳の香りに加え、畳の吸音性や吸湿性で静かで快適な環境をもたらし“集中力の持続”につながったのだろうと考えています」

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