専門医が教える パンツの中の秘密

女性より男性に多い 排尿後に「ブルッ」とするのはなぜ?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 一方、女性は排尿前にお尻を丸出しにしなくてはいけません。ですから排尿前に、お尻を出した時点で寒気にさらされて身震いが起こりやすいというわけです。しかし、女性でも排尿後のシバリングは起こるようです。

 寒いと「鳥肌が立つ」のも冷えから体を守るための防御反応です。寒いと体温調節中枢から指令が出て、交感神経が活発になります。そして体表面近くにある血管を収縮させて、体の熱を逃がさないようにします。

 同時に、全身の産毛にも働きかけます。産毛は少し斜めに生えていて、毛根には「立毛筋」という微小の筋肉が付いています。交感神経によって立毛筋が収縮して、毛穴が閉じるように盛り上がったのが鳥肌です。立毛筋の収縮も熱を産生しているのです。

 では、どうして寒いとトイレ(尿)が近くなるのでしょうか。人間は暑い季節は毛穴からたくさん汗をかきます。気づかないうちに体内の水分量は減っていきます。

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尾上泰彦

尾上泰彦

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

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