患者さんの状態に少しでも不安な点があれば、医療者側から伝えなければなりません。もしも術中に何らかのトラブルが発生したら取り返しのつかない事態になりかねませんし、術後に患者さんが会話もできない状態になってしまったら、本人はもちろん、ご家族に状況を説明するだけでも大変です。予定よりも患者さんの安全と安心を最優先する必要があるのです。
いまは新型コロナウイルス流行の影響で、患者さんの手術に対する不安も大きくなっています。「いまの時期に手術なんてして大丈夫なのか」と考える患者さんはたくさんいます。それだけに、なおさら親切で丁寧な対応が求められます。
今回だけでなく、予定手術が延期になるケースはままあります。手術の直前に患者さんがインフルエンザやヘルペス、ノロウイルスにかかって延期したケースもありました。当然のことですが、感染症がある状態で手術してしまうと、合併症を起こすリスクがアップするからです。その場合、感染症がアクティブな時期に手術はせず、必ずウイルスが完全に制圧されて感染症が治まるのを待ってから、あらためて手術を行います。
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