みんなの眼科教室 教えて清澤先生

眼科で身体障害者認定を受けるには

視覚障害は視力と視野それぞれに基準がある(C)PIXTA

 手帳の申請には先ず主治医に相談し、機能障害がその認定の適応する状態にあるかどうかを確認します。適応があることがわかりましたら、居住地の自治体の障害福祉窓口で「交付申請書」と「身体障害者診断書・意見書」を受け取ります。そして、身体障害者診断書・意見書に医師の診断内容を記入してもらいます。身体障害者診断書・意見書は、身体障害者福祉法の指定を受けている「指定医」が作成します。主治医が指定医でない場合は、主治医から指定医の紹介を受けることになります。

 書類がすべて整ったら、自治体の障害福祉窓口に提出します。審査ののち等級が決まります。申請から交付に必要な期間は自治体により異なりますが、1~2か月である場合が多いようです。細かい認定基準は各都道府県のホームページなどに公開されているケースが多いと思います。

 視覚障害に関しては視力と視野それぞれに基準が定められています。視力の良い方の眼の矯正視力が0.01以下のものが1級となり、6級まで定められています。視野については2級から5級までの区分があります。視覚障害に限らずそれぞれの等級には「指数」が定められており、2つ以上の障害が重複する場合、その指数を合計することで最終的な等級が定められることになります。したがって、視力と視野がともに障害等級に当てはまる場合には、その合算で等級が決定されることになります。

 実際には患者さんの眼が不自由であるということと身体障害者の認定要件を満たすということには差異があることがあります。個別には主治医に聞いてみてください。

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清澤源弘

清澤源弘

1953年、長野県生まれ。東北大学医学部卒、同大学院修了。86年、仏原子力庁、翌年に米ペンシルベニア大学並びにウイリス眼科病院に留学。92年、東京医科歯科大眼科助教授。2005-2021年清澤眼科院長。2021年11月自由が丘清澤眼科を新たに開院。日本眼科学会専門医、日本眼科医会学術部委員、日本神経眼科学会名誉会員など。

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