独白 愉快な“病人”たち

死亡率8割の脳出血を乗り越えた俳優の野崎ゲレーロ聡史さん

野崎ゲレーロ聡史さん(C)日刊ゲンダイ

 透析が導入されたのは28歳からで、今でも週に3日、1回5時間以上かけています。本来はタンパク制限や水分制限を厳守するべきなのですが、幸い腎臓以外はすこぶる健康なので、少し自由にさせてもらう代わりに、飲み薬と長めの透析でリカバリーしているといったところです。

 透析時間を短くしたいと考える人もいますが、僕はたっぷり時間をかけることで心臓への負担を軽減して、長く元気な野崎でいたいと思っています。毎回、ゲームをしたり映画を見たりできるので、むしろ趣味の時間が延びたと受け止めています。

 病気をして感じたのは、「1日は一生分。明日があるという保証はない」ということ。若いからとか、高齢だからとか関係ないんですよね。人はいつどうなるかわからない。だから病気があっても楽しく生きたいですし、入院中に出会った重い病気の子供たちのことを思うと、「ヘコんでいる場合じゃないな」と前向きになれました。

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