独白 愉快な“病人”たち

死亡率8割の脳出血を乗り越えた俳優の野崎ゲレーロ聡史さん

野崎ゲレーロ聡史さん(C)日刊ゲンダイ

 でも、そこで奇跡が起こりました。検査で「血が勝手に引き始めている」と医師が言い始めたのです。実際、素人目にも画像でそれが分かるくらい出血箇所が小さくなっていました。ヤマ場と言われた日を乗り越え、山口から駆け付けた母親には「なんで生きてるの?」と言われました(笑い)。

 ぜんぜん自覚はなかったのですが、いろいろ調べるとどうやら僕は腎臓が悪かったらしく、医者からは「腎不全による高血圧が脳出血を引き起こしたようだ」と説明を受けました。

 左右の腎臓は「片方は0%、もう片方も30%しか働いていない」と言われ、なんと、「もって3年の腎臓。いずれ透析になるよ」と告知されました。言われてみれば、倒れる前の1週間のどこかで一度だけ血尿がありました。でも、本当に一度だけだったので何も気に留めていなかったのです。

 主演舞台はもちろん降板になりました。でも舞台に出るつもりでリハビリをしまして、また奇跡が起こったんです。

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