今大会では世界中の温熱療法の論文をメタ解析したニロイ・ランジャン・ダッタ博士の特別講演が予定されている。
「ダッタ博士はスイスのアーラウ州立病院に所属されている放射線腫瘍学の医師兼研究者です。『エビデンスに基づくハイパーサーミア診療』についてお話しいただきます。がん治療においてハイパーサーミアがどのように使われているのか、世界でのがん治療での位置づけを知るにはとても役に立つ講演になるものと期待しています」
■いまが「がん標準治療」入りの分水嶺
大会ではさまざまな演題が用意されている。とくに手術、抗がん剤、放射線などとの併用療法による上乗せ効果が優れており、腹膜播種、膵臓がんなどの難治性がんの治療効果に関する演題が多い。
「たとえば播種のある胃がんでは、手術後に抗がん剤を投与するとともに温熱療法を加えた10例と胃がんの手術のみの10例を比較したところ、前者の3年生存率36%に対して対照群は0%でした」