放っておけば人工肛門が避けられない、進行直腸がんに対する温熱療法併用の放射線化学療法は完全奏効が27%だったという。
「ほかにも腹膜播種やトリプルネガティブの乳がん、免疫チェック阻害薬との併用による上乗せ効果などについても語られます。また、ハイパーサーミアの治療ガイドラインを2年前から作成しており、今回の学会はそれをまとめる学会でもあります。今大会のテーマが『標準療法を目指したハイパーサーミアの治療戦略』となっているのはそのためで、今大会は節目の大会なのです」
医療関係者の中には、「体を温めるのなら温泉でも民間療法でもいいじゃないか」と思う人もいるかもしれない。
しかし、それでは皮膚表面の温度は上がっても体の奥に潜むがんに熱が届かない。
「ハイパーサーミアは免疫の上乗せ効果が期待できるため、今後、脚光を集める治療法だと期待しています。より多くの人に理解していただけることを願っています」