コロナ第3波に備える最新知識

コロナ発熱の勘違い 中高年は毎日同じ時間に体温を測るべき

微熱でも注意が必要(C)日刊ゲンダイ

 そもそも65歳以上の人の平熱は50歳以下の人より0・2度ほど低いことが知られている。しかも、高齢者は寒さや暑さに対する対応力が鈍るため、寒いときは体温は低いところで、暑いときは高いところで安定してしまいがち。さらにいうと、腰や膝などの関節痛などで日頃から消炎鎮痛剤を常用している人は少々の発熱は隠されてしまう。

「つまり、高齢者はただでさえ体温が低いのに、冬になるとますます体温が低くなり、発熱という体の異変を知らせる警報に気づきにくいのです」

 高齢者の体温が低くなる原因は脳や骨格筋、肝臓、心臓など熱の産生に関わる働きが鈍くなるだけではない。それを支える血管が少なくなることも一因だ。

「全身の血管の99%を占める毛細血管は40代くらいから目立って少なくなり、60代では20代の6割程度になるといわれています。毛細血管がなくなると酸素、栄養素、ホルモン、免疫細胞がたっぷり含まれた血液が全身の細胞に届かなくなります。その結果としてさまざまな代謝も行われなくなって熱をつくり出すことも、免疫細胞が体内に侵入したウイルスやウイルスに侵された細胞体を攻撃する機会も減る。感染しやすく、感染しても熱が上がりにくい体になってしまうのです」

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