ビートルズの食生活から学ぶ健康

66年初来日の滞在ホテルで加山雄三とスキヤキパーティー

病を克服し完全復活へ(C)日刊ゲンダイ
売れ始めるにつれステーキやワインを

 加山は、2017年にポールが来日した際に再会を果たしていますが、ポールは、加山のことを覚えていると発言しており、ビートルズのメンバーにとって印象深いひとときだったのでしょう。

 デビュー前のビートルズの食事は、フィッシュ&チップスに代表されるようなものでしたが、売れ始めるにつれて、ステーキやワインなどをたしなむようになり、平均的な英国人の食事以上の内容に変わりました。日本人がイメージする肉類・乳製品中心のいわゆる欧米食です。このような食事を取り続ければ、次第にメタボリック症候群への道をたどるリスクが高まります。

 若かりし頃、スマートでカッコよかったアイドルやロックスターがその後見る影もないほどの肥満になってしまった例は、いくらでもあります。

 ポップスターは、スリムとはいかなくとも、ちょっと肉づきがよい程度でいてくれてほしいものです。音楽人生だけでなく、人生自体を縮めてしまいかねません。

 ちなみに、加山は今年8月、誤嚥による嘔吐で救急搬送され、軽度の小脳内出血が判明。約2カ月の入院ののち退院しました。食生活を見直し、体重を6~7キロ落とし、リハビリに余念がないようです。私も一ファンとして復活を祈っています。=敬称略

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松生恒夫

松生恒夫

昭和30(1955)年、東京都出身。松生クリニック院長、医学博士。東京慈恵会医科大学卒。日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。地中海式食生活、漢方療法、音楽療法などを診療に取り入れ、治療効果を上げている。近刊「ビートルズの食卓」(グスコー出版)のほか「『腸寿』で老いを防ぐ」(平凡社)、「寿命をのばしたかったら『便秘』を改善しなさい!」(海竜社)など著書多数。

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