女性では80%以上、男性では90%以上が生涯で一度は何らかのHPVに感染するといわれます。また、ハイリスクHPVには女性の50%が感染するといわれます。ただし、HPVに感染してもほとんどの人は自己免疫力でウイルスを排除するので病気を発症することはありません。女性では、ハイリスクHPVに感染した10%が持続感染し、そのごく一部が子宮頚がんを発症します。
それでも、国内の子宮頚がんの罹患(りかん)者は年間約1万人、毎年約2800人が亡くなっています。患者さんは20代から増え始め、30代までにがんの治療で子宮を失う人も毎年約1200人います。
そこで日本では、2009年12月にHPVワクチンが承認され、定期接種(3回接種、公費負担)が始まりました。対象者は小学6年~高校1年相当の女子です。
これまで国内で承認されているワクチンは、16型と18型の2つの型に対応した「2価ワクチン」と、さらに尖圭コンジローマの原因となる6型と11型を加えた「4価ワクチン」です。
専門医が教える パンツの中の秘密