専門医が教える パンツの中の秘密

7月に新たに承認されたHPV9価ワクチンの実力と泣きどころ

成人女性や男性もワクチン接種でHPV予防ができる(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 それが今年7月に、新たに「9価ワクチン」が承認されました。2価と4価ワクチンは子宮頚がんの原因の約65%をカバーしますが、9価ワクチンは約90%を防ぐとされています。

 ただし、HPVワクチンは接種後に運動障害や持続的な疼痛(とうつう)など「多様な症状」の発現が報告されたことにより、「積極的な推奨」はされていません。子供への接種を検討する際には、医師にメリットとデメリットの説明を十分に聞く必要があります。

 また、成人女性や男性も自費になりますが、ワクチン接種をすることでまだ感染していない型のHPV感染を予防することができます。

3 / 3 ページ

尾上泰彦

尾上泰彦

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

関連記事