役に立つオモシロ医学論文

世界7.7万人のデータが語る新型コロナ家庭内での感染リスク

なるべく同居家族との接触を避ける(C)PIXTA

 また、家庭内感染のリスクは最初に発症した人が配偶者ではない家族よりも配偶者で、無症状の家族よりも症状が出ている家族で、感染者に接触した人が小児よりも成人であった場合に高まることが分かりました。

 小児は新型コロナウイルスに感染しにくい可能性が報告されており、家庭内感染でも小児より成人でリスクが高いといえそうです。また、この研究では症状がない人よりも、症状がある人からの感染が多いという結果でした。

 しかし、新型コロナウイルスは無症状者からも感染することが知られています。症状が出ていなかったとしても、感染していることが明らかであるのなら、同居家族との接触を避ける必要があるでしょう。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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