家族が悩みを相談できる支援は不十分で、支援が十分あるという人は39・7%と4割を下回っていました。多くの家族が悩みを解消できず、学業を中断せざるを得なくなるほか、仕事を辞めてしまう実態が浮き彫りとなったのです。
たとえば、たばこをたくさん吸う人が年を取って肺がんになるのは、自己責任の影響が否定できません。大腸がんは欧米型の脂肪分の多い食事や運動不足の影響があり、メタボ的な生活習慣の人はリスクが高い。
ところが、AYA世代のがんは、そういう影響がほとんどない上、がんの要因の一つである細胞の老化ともいえません。中高年のがんと違い、自己責任的な要素はとても少ないので、もっとサポートが受けられてしかるべきです。
重要なのが、医療費の問題でしょう。乳幼児医療費助成制度や子ども医療費助成制度により、自治体が医療費の一部または全額を負担する制度があります。それに加えて小児がんの場合は、小児慢性特定疾病医療費助成制度が有効です。
Dr.中川 がんサバイバーの知恵