Dr.中川 がんサバイバーの知恵

ホリエモンは接種済みのHPVワクチン 男性の効果と料金は?

堀江貴文(C)日刊ゲンダイ

 いまワクチンの話をすると、新型コロナワクチンを思い出すかもしれません。コロナ禍を根絶するにはワクチン接種が欠かせませんが、今回のテーマはHPVワクチンです。

 HPVは、ヒトパピローマウイルスのことで、HPVワクチンはそのウイルス感染症を予防するためのもの。皆さん、よくご存じなのは、子宮頚がんが代表的でしょう。なんだ女性の話かと思わないでください。男性の話です。

 昨年12月、HPVワクチンのひとつ、ガーダシル(4価)の適応が拡大されました。新たに認められたのが、男性の肛門がんと尖圭コンジローマなのです。どちらもセックスによって感染します。男性から女性に、女性から男性にという具合に、HPVは感染を広げていくので、男性も他人事ではありません。

 当時の適応拡大には外れましたが、HPVに感染すると、のどの咽頭がんと陰茎がんも発症しやすいことが分かっています。咽頭がんの感染者数は子宮頚がんのほぼ2倍で、男女に共通。これはオーラルセックスで広がりますから、男性も接種が無難です。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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