「アデュカヌマブやレカネマブは、何割かがアルツハイマー病に移行する軽度認知障害(MCI)やごく早期のアルツハイマー病が対象です。これらの治療薬が有効に使われるためには、MCI以前の段階でアルツハイマー病の原因物質アミロイドβの蓄積をチェックし、アルツハイマー病に移行するリスクが高い人を見つけ出すことが必須。そのための検査法も確立されつつあります」
岩坪教授は、認知症発症の危険度を予測する方法の開発を目指す「J-TRC」も実施。ホームページ上(https://www.j-trc.org)ではインターネットを介した簡単な検査で認知機能をセルフチェックできる。
高リスク群に根本治療薬をより早く投与できるようになれば、アルツハイマー病を発症せずに寿命を全うできる可能性も出てくる。やがては、「アルツハイマー病は根治可能な病気」となるかもしれない。