「IBSの患者さんは、便はむしろ軟らかい。酸化マグネシウムを使うと下痢してしまうので、便の水分バランスを調整する薬(ポリカルボフィルカルシウム)や整腸剤を一般的に出します」
特に若い女性に多いのが、市販薬の刺激性下剤を長年使っている人。
「刺激性下剤は長期間使用していると手放せなくなります。しかし、いきなりやめると便秘でつらい。そこで酸化マグネシウムと併用しながら、少しずつ刺激性下剤の量を減らしていきます」
酸化マグネシウムは、高マグネシウム血症や不整脈などのリスクがあるといわれているが――。
「実際に長年処方していて、適正量を守っていることもありますが、不整脈などが起きたケースは経験していません」
便秘の治療薬は長年新薬が出ていなかったが、2012年にアミティーザが発売され、17年にリンゼス錠、18年にグーフィス錠、モビコール配合内用剤と発売された。