長引くマスク生活で頭痛が悪化…専門医が教える3つの改善策

マスク生活が当たり前となったが(C)共同通信社

 これらと並行して、片頭痛の治療が正しく行われているかも重要だ。片頭痛をひと月に何度も繰り返している人は、頭痛専門医を受診すべき。市販薬の乱用は、薬剤の使用過多による薬物乱用頭痛を引き起こすからだ。

「加えて、片頭痛を長期間抱えていると、神経の炎症が長期間続くことを意味し、脳がちょっとした刺激でも興奮しやすくなる。すると頭の中で雑音が鳴り響くような耳鳴り、立っていられないようなめまい、頭重感、不眠といった深刻な症状が出てくるのです」

 清水医師は頭痛治療の際、脳波を測定し、脳の興奮状態を確認する。片頭痛の人では大抵、脳が過剰な興奮状態にある。

「片頭痛の治療薬の第1選択として痛みを抑えるトリプタン製剤がありますが、脳が興奮状態にある時にトリプタン製剤だけを用いても、片頭痛を抑えられません。私は妊婦など禁忌以外の人にはバルプロ酸という片頭痛予防薬をガイドラインの推奨量の4分の1から半量を処方し、脳の興奮を鎮めます。脳波測定で興奮が鎮まったことが確認できれば、バルプロ酸はやめ、痛みが出た時にだけトリプタン製剤を用いるように指導します」

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