医者も知らない医学の新常識

糖尿病の薬が心不全にも効くのか? 世界的医学誌で報告

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 中でも注目されたのが心不全に対する効果です。2015年の「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」という一流の医学誌に発表された論文によると、この薬を使うことで、心不全による入院のリスクが35%も低下していたのです。そうした結果を受けて、SGLT2阻害剤を心不全の治療薬として使おう、という動きが今では世界的に広がっています。糖尿病の優秀な治療薬は心不全の薬でもあったようです。

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石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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