みんなの眼科教室 教えて清澤先生

米国名門大教授が指摘「Zoom疲れ」の4つの原因と対策

(C)Rawpixel/iStock

 また、Zoomに映し出されるのは相手の顔だけです。脳は、相手の顔が非常に近いとそれを「交尾」か「攻撃」につながる状況と解釈し、不要な興奮状態に陥るそうです。

 これを解決するには、全画面表示をやめ、ウィンドウサイズを小さくすることで会議参加者の顔の表示を小さくし、ディスプレイから離れて参加者の顔から距離を置けるよう外付けキーボードを使うことだとしています。

 原因の2つ目は、「自分の顔」です。ウエブ会議では自分の顔も映し出されますが、それは現実世界で鏡を見ながら話しているのと同じだとベイレンソン教授は指摘しています。自分を見ていると、自分に対してより批判的になる傾向にあるとする研究があるそうです。

 この解決策はずばり、自分を非表示にすることです。

 3つ目の原因は、「移動できない」ことです。いったんウエブ会議に参加すると現実の会議のように歩き回ることができません。常にカメラの前でおとなしく座っていなければなりません。こうした行動の制限は窮屈なことです。

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清澤源弘

清澤源弘

1953年、長野県生まれ。東北大学医学部卒、同大学院修了。86年、仏原子力庁、翌年に米ペンシルベニア大学並びにウイリス眼科病院に留学。92年、東京医科歯科大眼科助教授。2005-2021年清澤眼科院長。2021年11月自由が丘清澤眼科を新たに開院。日本眼科学会専門医、日本眼科医会学術部委員、日本神経眼科学会名誉会員など。

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